パーマカルチャーとは、個性を活かし合う関係性のデザイン。地球に負担をかけない健やかな暮らし方や社会の仕組みを考えます。
空気、海、太陽の光、土、動物、魚、植物、昆虫、微生物、にんげん。みんなつながって影響し合っています。
それぞれの良いところを引き出して、組み合わせを工夫すると、地球は健やかでいられます。みんなががうれしくなる循環が生まれます。
・地球のいとなみ
・動植物、昆虫や微生物の特性
・いろんな人間の個性
・昔からある暮らしの知恵
・現代のテクノロジー
これらを上手に活かして暮らしや社会の仕組みを考えます。
地球を大切にすること
ひとに優しくすること
分かちあうこと、与えあうこと
1.相互作用、関連性のある配置
パーマカルチャーの核心はデザイン(設計)です。デザインすべき構成要素(*注)をもっとも効率よく機能させるために、適材を適所に配置します。
*注 「構成要素」とは、家屋、鶏舎、森林、田畑、防風林、果樹、動物、人、微生物、昆虫など、わたしたちの生活を構成しているあらゆる要素をさしています。
2.多機能性
システムの中のひとつひとつの構成要素は、できるだけ多く(3つ以上)の機能を持たせられるよう、選択や配置を考えます。
3.複数のバックアップシステム
水、食料、エネルギー、防火など、生活の中で重要な基礎的需要は複数の方法で充たされるようデザインします。特にライフラインに関わるものは非常に重要です。
4.効率的なエネルギー計画
物や人の移動を効率的に、利用頻度を考えた区画の利用計画を考えます。
5.生物資源の活用
動植物の特性、風、重力などの自然の力に着目し、それを有効的に利用します。
6.エネルギーの循環(Energy Cycling)
身近で無理なく調達できる資源を用い、また再利用するなど、小さなスペースの中でのエネルギー循環をデザインします。
7.小規模集約システム (Small-scale Intensive System)
小さなスペースを生産性高く利用し、しっかり管理します。例えば、それぞれの植物の特性に従ってさまざまな種の植物を組み合わせるなど、植物を重層的に育てるようデザインします。 また、前作が終わる前に次の作物をつくり始めるなど、時間も重層的にデザインします。
8.植生の遷移と進化を促進 (Accelerating Succession and Evolution)
植生の自然な移り変わりに逆らわず、短い期間でわたしたちののぞむ植生への移り変わりを加速させるような環境条件をデザインします。
9.多様性(Diversity)の保全と活用
生物多様性の保全に重きをおきます。また、収穫期の異なる品種を植えたり病虫害や天候不順によるリスクを分散させて安定供給につなげるなど、多様な動植物の特性を有効的に利用します。
10.接縁効果(Edge Effects)の活用
異なる環境条件が出会う場所「エッジ(接縁部)」にあらわれる生産性豊かさな多様性をデザインの中に取り入れて有効的に利用します。
参考資料
パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン ビルモリソン 訳 田口恒夫 小祝慶子